こうたろう物語.6 / 新しい家族

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迷い犬の こうたろう がやって来て数ヶ月が過ぎていました。
退院後、ゲージの中で過ごしていた こうたろうは
何度も しんのすけ に ウゥ〜ウゥ〜 と威嚇して、仲良く出来るか心配だったけど
今ではお互いにマイペースで暮らしています。(決して仲良しではないらしい・・・(^^;)

退院後も飼い主探しを続けたけれど、何の情報も得られませんでした。
里親をお願いする事も考えてはいたのですが
ケガが完治するのにかかった時間は約2ヶ月。
すっかり情が移ってしまった ひな はこうたろう を新しい家族として
迎え入れる事にしたのです。

決め手になったのは こうたろう を連れて実家に帰った時の事。
知らない場所に連れて行かれたのが不安だったのか、3日間の滞在中
1度もご飯を食べなかったのです。
実家のひな母は「きっと、ここに置いて行かれると思ってるんだよ」を連発。
そんな こうたろう がなんだか不憫でなりませんでした。

この子を里親さんに預けても、また捨てられたと思うだろう・・・

家に戻ってからムシャムシャとご飯を食べる こうたろう を見て手放す事を
放棄した ひな なのでした。

多頭飼いの勉強なんか何もしないうちに、突然やってきたワンコに戸惑いながら
月日は過ぎて行きました。

こうたろう はほとんど手のかからない犬でした。
トイレもスワレもフセも教えてないのに覚えたって感じだし
呼びは利く、ボールを投げたら持って来る・・・と、
しんのすけ とは正反対の犬でした(^^;
ひな が気を付けた事はひとつだけ・・・・・
しんのすけ がお兄ちゃんである事を教えること。
理解したのかしないのか、今では「しんちゃ〜ん」と事あるごとに
くっついて歩いています。
しんのすけ はそんな事はお構いなしにマイペースなんだけどね(^^;

来た頃は無表情だった こうたろう も最近はすごく表情豊かになりました。
しんのすけ の真似をして犬語でお話もします。
甘える事も覚えたようで、すぐにスリスリしてきます。
なのでヤキモチ大会は頻繁に開催されます(笑)

「こうたろう を幸せにしてあげよう」と決めてからもうすぐ1年。
少しは幸せを与えてあげられたかな?
 
 

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